■アラスカ・オーロラ紀行            


目次>          7(完)


7(完).感謝                    

2月16日(土)朝、マンレー温泉に別れを告げて一路フェアバンクス空港へと向かう。車の中では2人とも疲れ果ててウトウトしながら寝入ってしまった。時折目を覚ますとブリザードが吹き付けて来る。雪というより真白い粉が、砂ぼこりのように空中を舞っている。突如、白い背景の中から大型トレーラーが資材を満載して、うなり声を上げながらすれちがった。360度どこを見ても純白の世界だ。これがアラスカなんだ、今本当にここにいるんだ!

フェアバンクス空港からアラスカ・エアラインで今夜の宿泊地、アンカレッジヘ。
空港からタクシーでホテル“キャプテンクック”へ向かった。超一流のホテルと言うだけあって、もこもこダウンジャケットに物々しい防寒靴の日本人がスーツケースを引きずって歩く婆はどこか滑稽だ。

部屋から見る夜の街は、照明でビルが浮かび上がりとてもきれいだったが、真白な背景に逆立ちしてもホテルと呼べなかったマンレーのオンボロ宿の方が、妙に懐かしく感じた。

「もう1度マンレーヘ戻りたいなぁ」


2月17日(日)朝5時30分、ホテルからタクシーでアンカレッジ空港へ向かう。霧雨の中、車の暖房が程良く効いて夢見心地だ。現地係員でアンカレッジ在住20年の日本人のおばちゃんがタクシードライバーとジョークを交わして笑っていた。淡いオレンジ色のナトリウム灯に照らしだされたなごり雪を見て少し寂しくなった。

アラスカ航空でシアトル国際空港に着いた。ここまで来ると雪はまったくない。お土産の“マカデミアナッツチョコレート”をしこたま買い込み、コンチネンタル航空に乗り継いで成田へと向かった。  

湾岸戦争の最中に、無事アラスカまで行き、天候にも恵まれ、オーロラを2日間も見られたことは、ラッキーだった。何のトラブルもなく“海外旅行の楽しみ”を教えてくれた友人のYに改めて感謝。日本を離れる前日、本厄の厄払いをやってもらったという。充分効果があったようだ、ありがとう。

・・・・・ああー、思い出しているうちにまた行ってみたくなっちゃった。 

完 (yasuyuki)


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