■２．またまた初体験
|
暇を持て余していたスチュワーデスが飲み物を配り始めた。
「カフィ、オアチー？」
「何だ？」
コーヒーにするか紅茶にするか聞いているよ、隣でＹがささやく。
「チープリーズ」
「ウィズシュガーアンドミルク」と言わなかった、いや、言えなかったために後悔した。甘くない話、なんちゃって。
あー、英会話やっておくんだった。
２時間ほどして、いい香りがしてきた。もう夕食、ディナーである。メニューによると
「椎茸とレタスのそえもの、牛フィレ・ステーキ、“カフェー・ドパリー”バター・ソース、アンナポテト、ミックス野菜、ベルベット・チョコレートムース」となっている。
早速食してみるとこれらが実にうまい！ Ｙによると“成田発”なので多少日本人向けの味付けになっているらしい。
「へえ−っ」また感心してしまった。
８時間３０分後にアメリカ合衆団シアトルに到着する。シアトル時間で２月１２日午前９時３０分。ところが日本時間のままだと、２月１３日午前２時３０分。この奇怪な時間のズレが“時差”の２文字で強引に解決されてしまうのだ。
ところで日付変更線って何色かな？ 確か地理の時間に見た地図によると・・・・・。
「マドンナ」主演の映画を上映していたようだが眠っていた。窓のシェードを上げると朝日が刺すようにまぶしい。廻りを見渡すと、もう朝食が始まっている。
「オレンジ・ジュース、季節のフルーツ盛り合わせ、フルーツ・ヨーグルト、デニッシュ・ペストリー」外国人は、こんな量で足りるのかと思うくらい少ない。 という私も、ここ合衆国上空では外国人なのだが。
定刻通りシアトル国際空港に到着。ここで国内線のアラスカ航空に乗り換えるが待ち時間が２時間もある。さて、何をしながら時間をつぶそうか？ と考えながら入国審査の順番が来るのを待っていた。キョロキョロとまわりを見渡すと、青い目や金髪の人間ばかりだ。子供までが英語をしゃべっているぞ。
「これぞ、外国。う−ん、日本じゃないんだ！」Ｙの眼が連れて来るんじゃなかったと言っている。
入国審査がやけに長引いて、時間を取られている。冷静なＹに、あせりが見え始めた。
以前「“白夜”を見にここに来たときは、顔パスだったのに」
珍しく言動が荒いＹ。
果たして次の便には間に合うのか。
（yasuyuki）
| ●戻る | ▲次へ |