由美さんのスキー三昧         

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■4.謎のジャイアント                     

「腹減った、昼飯だ!」と、インストラクターは、ブナ平を一気に滑り降りて行きました。

東館山ヘアピンカーブとの格闘で、腿の筋肉に亀裂が入ってるんじゃないかと訴える足をなだめすかしながら、私達は仕方なくインストラクターの後を追いました。

ブナ平の下で板を外し、膝を震わせながら少し歩くと、右手に山小屋風のレストランがありました。
「ここのハンバーグは上手いぞ」と、席を確保していてくれたインストラクターは、イカ帽とサングラスを外し、スキータートルシャツ姿でくつろいでいました。寒さと恐怖で凍りついてしまった頭には、メニューの選択は難しすぎます。生徒7人は、揃ってハンバーグ定食を注文したのでした。

隣のテーブルでは、高天ガ原まで一緒だった中級クラスの面々が、すでに食後のコーヒーを飲んでいました。どうやら西館山スキー場を滑って来たらしいのです。話の様子では、斜度のきつい所もあるようですが、好きなところでターンできるくらいの面積が確保されていたということでした。
「何でそっちのコースにしてくれなかったのよー」私達そろってブーイングです。

ところが中級クラスのお兄ちゃんは
「でも、お昼前に着いたからって、ジャイアントを2本もすべらされたんだぞ」とふくれます。
「しかもリフトの途中下車なしよ」と、体育会系のお姉さんも訴えます。

???
インストラクターとの昼食

この頃の私には、ジャイアントとは何なのか、全くわかりませんでした。

首をひねっているうちに、インストラクターお薦めのハンバーグ定食が運ばれて来ました。鉄板の上でジュウジュウと音をたてているハンバーグと、ちょっと焦げたブラウンソースの香りは、私達のお腹をグーと鳴らせ、“ジャイアント”の謎など、軽くすっ飛ばしてしまったのでした。
ともかくも、ボリューム満点の美味しい昼食のおかげで、泣きベソをかいていた足も復活してきました。

「じゃ、午後の講習、はじめましょう」明るくインストラクターはいいました。
レストランの前で板を履くと、右手にリフト乗り場がありました。
「1本目は中間駅で降りてね」
お腹がいっぱいになって、インストラクターは優しくなったようです。

中間駅が見えてきた頃、下を見ると丸々としたコブが連なっていました。

え?                                                                      

(yumi)


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