２００３ 石川町スターライトフェスティバル あとの祭り画像など追加 １０/１２
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大福茶製作風景連写 10/10 追加掲載
大福茶の顛末 ＜１０/９ レポート追加更新・・・やっとお茶が点ちました＞ （１０/６ 掲載） 祭り当日の朝、太田さんの電話から私の頭はフル回転になりました。 すぐに思いついたのは、お正月などに無病息災を祈って、茶家やお寺などで行われている「大福茶」（だいふくちゃ、又はおおぶくちゃ、大服茶とも書く）です。 大きな茶碗にたっぷり点てられた抹茶を、多いときには１００人くらいで飲み回すという行事。祭りにはぴったりと言えばぴったり・・ですが・・・。 本来、大福茶にはそれ相応の大きな茶筅が必要です。だって茶碗の半分くらい湯を入れれば、普通の茶筅なんてすっぽり湯に浸ってしまいます。ヘタをしたら持っている手も入ってしまうでしょう。 それに小さな茶筅でお茶が点つとも思えません。 大福茶のことは話に聞いたことがある程度で、体験したことは勿論無いし、見たことも本で読んだことすら無いんです。だから具体的なことはぜーんぜん分からない。あいや、全くにどうしよう？ ホントにやるのかな？ できるのかな？ 半信半疑で冷凍庫に保管してあった抹茶と、普通の茶筅を３本、荷物に追加して出発しました。 （１０/７ 掲載） 明日は仕事なので今夜には川崎までトンボ帰りするというパワフルナルナルと、すすきヶ原やキンモクセイを見つけたり、ソーダキャンディみたいな雲を味わったり、紫色が鮮やかな虹にはしゃいだり、快適な秋晴れのドライブの後、祭り会場に到着したのは１５時過ぎでした。 太田さんと一緒に待っていたのが、ウワサの大茶碗。計測しなくても３５センチはゆうにありそうな風体で、テーブルの上に鎮座ましましていました。でもここだけの話、いっちばんに目に飛び込んだのは、素焼きの怪しげなドーム（直径１５センチくらい）でした。スリットが開いた状態になっているドーム部分を外すと、中にはシュミカセ風の望遠鏡、一部に金メッキのお洒落なデザイン、もちろんファインダーつき。そしてイスに腰掛けた女の子が、アイピースを覗いているんです。つまりその、これぜーんぶ陶製。日下部さんの力作でした。 大福茶野点のセットアップをイメージしながら、ひとまず普通の野点ブースを作っちゃいます。先行き不透明な大福茶に比べたら、いつもは結構悩むテーブルの配置やら茶道具のディスプレイなんてお茶の子サイサイです。看板出して、お湯が沸いた頃を見計らったかのように、常連さんが一服しにいらっしゃいました。ひとしきり、原村での愛す抹茶の思い出話などした後に「今日は寒いから、普通の抹茶でしょう」と聞くでもなく呟く常連さん。 「それがその・・・」大福茶のいわれなど話すうちに、常連さんの瞳に宿る期待がどんどん膨らんで行く・・・。 そうこうするうちに日下部さんのご登場です。 「由美さんのホームページ、見ましたよー。いやあ、イロイロあって読むの大変だけど、面白いことやってるねー。僕もホームページあるんで、良かったら見て下さい」。ニコニコ顔で開口一番、名刺を差し出されてしまい・・・。そうです、今回は ”・・・・・” オンパレードなんです。 日下部さんはアトリエに「游彷陶房」（ゆうほうとうぼう）と命名されていました。 何だか”遊ぶ”って字に親近感が・・・火遊び由美、遊麗由美・・・かなり近い宇宙のご出身かも・・・。 ★と思っていたら・・・.「遊彷陶房」でなく「游彷陶房」です。道を求める｀遊’でなく、クラゲが海に浮いているような、さんずいの｀游’です。というメールをいただきました。あらら・・そういう字もあったの？ ともあれ、大変失礼致しました。・・・やっぱりカケ離れた宇宙の住人かも。（この部分、１０/１１掲載） （１０/８ 掲載） Ｋ「これよりもうちょっと小さかったかな。お寺さんに大福茶用の茶碗を納めたこともあるんだ。でも話に聞くだけで、実際には見たことないから、今回もし時間が合えば、大福茶を体験したいなあ」 ・・・そ、そうなんですか・・・ Ｋ「抹茶、４缶持ってきたよ。それに茶筅も１つ。これで何とかなるかな？」 ・・・え！あ、いや、そ、その・・・ Ｏ「先生のアトリエには茶室もあるんだよ。明日、お邪魔してみないか？ ここから１時間くらいだから、昼間、祭りをちょっと抜けてさ」 ・・・あ・・そっ・・そうですね・・・ Ｋ「どうぞどうぞ。星関係じゃない、普通の作品ばっかりだけど」 ・・・は、はあ、それはそうでしょう・・・ 話はトントン拍子に決まり、翌日の朝、こっそり祭りを抜けて遊彷陶房へ遊びに行きました。 到着して挨拶もそこそこに、まずは一服ということで案内されたのは離れの茶室。きらら庵と違って、にじり口（お客様の出入り口。腰をかがめて入る小さな入り口）があり、中は壁と天井がぜーんぶ和紙張りになっていました。侘びた木地の炉縁がはめ込まれた炉には、ちょうど湯が煮えた釜がかかっていました。すぐに近づいてみたのは、どっしりと存在感のある水差。そしてちょっと鉄分が入ったような大ぶりの茶碗で一服・・・このあたりで止めないと、祭りレポートが終わらなくなってしまうくらい、盛りだくさん、見きれないほどイロイロあったアトリエでした。 また改めて、今度はじっくり拝見したいものです。 おみやげに、織部の平茶碗（織部って、名残の季節といわれる１０月に好んで使われる焼き物です）や、ダンナとペアのグイノミなどをいただいて・・・日下部さんたら、気前良くホイホイと下さるの。もしかして、気に入られたのかしら？ワタシ・・・参ったたまげた状態で祭り会場に戻りました。 さ〜てどうやってお礼をしたらいいものでしょう？ 答えは決まっています。大福茶野点、何とか成功させなければ！ どうせやるなら祭りのイベントの１つとして、会場の皆さんに飲んでいただきたい！夢は一騎に膨らんじゃいました。 （１０/９ 掲載） 石川町星祭り実行委員長の青柳さんに無理をお願いして時間をいただき、大福茶野点は中央ステージ前で堂々と執り行われることになりました。 ブルーシートの上に緋毛氈。低いテーブルの上に花瓶（これも日下部さんの作品。満月の月面クレーターをデザインしたものです）を置いて、会場周辺を探して摘んだ野の花を。 花の前を正客席にして、横にイスを１０個並べました。一服して落ち着いた方から次の方へ席を譲っていただけば、５巡で５０人、１碗が空になるはずです。抹茶の量はざっと計算、１回に２缶と見積もりました。ただ湯の量がよくわからない。これはぶっつけ本番、普通にお茶を点てる時の抹茶の量をイメージしながら、大茶碗に入った抹茶の量まで倍々・・・し、それを湯の量に倍々・・・素直に言うと目分量です。こんなんで上手く行くのかな？なんて、今から考えると空恐ろしいですね。 あとは茶筅をどうするか？ 湯がどのくらいまで入るのか分からないけれど、茶碗の底まで茶筅をつけたら手までお湯に浸かってしまうのは目に見えています。でも丈の長い茶筅を調達する時間もなく、いつもの茶筅で何とかするしかない。ともかく大きく茶筅を振ることで、湯の上っ面半分くらいの振動を湯全体にまで伝えてカクハンすること。それには茶筅をいくつか組み合わせるしかありません。 手元にある４つの茶筅をくっつけて、右手に握ってみました。これはかなり持ちにくく、手首に力が入ってしまい、逆に茶筅を自由に振ることができません。３つに減らしててみたところ、握りやすいし手首のスナップもいい感じでした。茶筅の柄をテープかなにかで固定するか迷いましたが、振りながら少しズレたりする不規則さが、お茶を点てるにはプラスになると思って、そのままにしました。 ここまで詰めれば、もう悩むことも心配することも無用です。だって”やる”って決めちゃったんですもの、ジタバタしたって始まりません。後は和服を着付けて化粧を直し、帛紗を腰に付けて気合いを入れるだけです。 こうして本番。私にとっても初めての大福茶。星祭り本部でアナウンスしてくださったおかげで、「何だ！何だ！！」と興味津々に集まって下さった皆さんも初体験。固唾を呑んで大茶碗を注目していた皆さん。抹茶がどんどん泡だって行くにつれて、驚きの歓声が”ぅお〜おおお〜”というどよめきになり、「お見事！」と日下部さんのシメの一言で茶筅を引き上げました。きらら庵若手スタッフのノダッチが、大事に大事に両手に抱えてお客様を回り、介添えしながら飲んでいただきました。お湯が入ると、本当に重いですね。何キロになったんだろう？ 今度計ってみましょう。 「普通より泡がミルキー」 「泡にもコクがある」 「苦いけど甘みも強い」 「泡まで甘い」 「もう１周待って飲みたい」 「これ全部飲んでいいの？」 素敵なご感想をありがとうございました。なーんか、野点冥利につきるなあ・・こんな言い回し、ヘンですね。 つづく・・・
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