星空の音楽会ｉｎ星の里

＜愛す抹茶、誕生秘話＞　　

冷たいお抹茶、出せたらいいなあなんて、最初はホントに気軽な思いつきだったんです。
でもって後先考えないまま、「アイス抹茶なんてどうおー」ってあちこち言っていたんです。

ある日、星まつり関係で仲良しして下さっているモリモトおじさんから、とーっても素敵な「愛す抹茶チケット」がメールで送られて来ました。
その上、原まつり実行委員長さんが、そのチケットを原村星まつりサイトに掲載しちゃったんです。
こうなると気分は一気に盛り上がり、アイス抹茶やーろう！って事になっちゃいました。
でもここからが大変。だって真夏の原村、昼間の気温は相当上がります。冷水をどうやって確保するの？
冷たさを保つのはどうするの？　これって祭りブースでやるには、結構大きな問題です。

結局、原まつり１０周年協賛のスペシャル野点ということで、実行委員長さんのご協力を仰ぎ、製氷器をご用意いただきました。これで冷水確保は万全です。何とか成功させたいな。
チョットぷれっしゃーかな？なーんて、このギリギリどきどき感覚がスリリングで楽しいんですよね。

ということで、今年の原まつり新企画は、”冷たいお抹茶”です。

新企画！「愛す抹茶」への挑戦

気軽な思いつきの発端は去年の原村星まつりでした。”きらら庵野点”の常連さんから
「冷たい・・氷なんかが浮いたお抹茶って美味しそう」というリクエストをいただいたのです。
リクエストとは言っても、そんな邪道なものは無理だろうという遠慮がいっぱい漂っている、小さな一言でした。
その時は何となく誤魔化しながら、でも、私の”つもり”としてはその時点で８０％くらいの盛り上がりで、秘かに秘かに”冷たい抹茶に挑戦”計画が生まれました。

抹茶って、熱い湯でないと泡が点たないんじゃない？美味しくないんじゃない？と思っている方が多いのではないかな。確かに、ぬるいお湯、常温の水などでは、かなり難しいものです。でも何故か、理由はよく分かりませんが、キンキンに冷えた水ならば、ちょっと稽古すれば熱い湯と変わらないくらい上手に点てられるし、ちゃーんと風味もあって美味しいんです。

ただ、それは家で自分用に飲むための”すごーく普段の抹茶”であって、いくら星祭りとはいえ、オオヤケの席で人様にお出しするものではないという、どこかに書いてあるわけではない「常識」が、ちょっと邪魔をしたりします。
何とか常識君を納得させる理屈は無いものかしら？？？　悩んでもラチは明かないので”飲んでみたい”お客さんが居る！という事実で常識君を押し切り、実現に向けて一歩を踏み出したのです。

とはいえ、一応、お茶の稽古をしているモノとしては”邪道”はできるだけ避けて通りたい道。
どうすれば”邪道”ではなく、”ちょっと応用”の範囲で収まるだろうかしらん・・・。皆さんからすればどうでもいいことでしょうが、ここはひとつ、こだわりたいところなのです。

ということで、目指すは”脱・邪道”。はてさてどうなることやら・・・はらはらドキドキの「愛す抹茶」挑戦でーす。

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　～　愛す抹茶、脱・邪道を目指して　～

①何をおいても、とにかく絶対に美味しいこと！　冷たくても風味豊かに点てられるまで稽古すること。

②冷たい抹茶のための点前というものは無いため、応用点前を考えること。
それもいい加減、行き当たりバッタリではダメ。基本点前を組み合わせ、すっきり、上手くまとまるよう、なるべく基本に沿った形を作ること。そして陰出しはしない。全てしゃんとお点前してお出しする。

③道具組も冷抹茶用に考える。但し、見立て道具は使わず、全てホンモノで応用する。

★冷抹茶そのものが通常ではないので、周辺のものはぜーんぶホンモノでかためたい。それで何とか”応用”の範囲内に収められるかなあ・・・と思っています。

そこでボロボロ出てきた課題が・・・実は山積み。

①テストの結果。予想通り熱い湯で点てるのに比べ、冷水の温度・水と抹茶の量の加減で、美味しい範囲というのがとても狭い。水の温度はどんどん変化するため、この３つの塩梅が充分把握できていないと、いつでもどんな状態でも美味しいアイス抹茶をお出しするってことは難しいんです。

②応用点前で一番困ったのは、湯を沸かさない＝釜を使わない、でした。釜が無いと、柄尺を置く所がない、茶巾を置く場所も無い、それでは点前にならないという大問題になっちゃったんです。

③道具組は点前と密接に関わるもので、ここでひらめいたのが”釣瓶の水差”でした。
木地でできた大振りの水差で、蓋が２つに分かれています。これなら柄尺を置くことも、半分に開けた片方の蓋に茶巾を置くこともできる！　救いの神でした。ということで、茶道具屋さんに走るハメになったのです。

こうして、柄尺と茶巾の行き先はできました。後は点前の手順をすっきりまとめる事が残っています。
それに、美味しい抹茶の大問題。ここで頭に浮かんだのはアイスコーヒーでした。アイスコーヒーだって、本格派は、アイス専用の豆やら焙煎その他モロモロありますよね。ってことは、アイス抹茶に相応しい抹茶を探し出すことも大事なポイントでないかしら。
今まで飲んだ抹茶の記憶を総動員、お茶屋さんにも手伝って貰って、これなら抹茶の威力でちょっと美味しい範囲を広げられそうなものを選びました。
後は・・・原まつりまで１０日。どこまで詰めきれるかな。ともかく毎日稽古、これしかありませんね。

＝　捕らぬ狸の皮算用　＝　７/３０掲載

熱い湯でお茶を点てる時って、時間との戦いなんです。
茶碗に抹茶を入れてお湯を注いだ瞬間から、抹茶の風味はどんどん逃げて行きます。
そして茶筅を振れば振るほど、風味の逃げ足は加速されます。極端な話、抹茶を入れて湯を注ぎ、間髪入れずそのまま飲むのが、一番風味を強く感じることができます。これ、実際に試してみた結果です。

でも、当然ながら抹茶は粉っぽいし、お湯と分離したままだし、茶碗の底にへばりついてるし、ダマダマになってるし・・・舌触りやら見た目やら、ともかく、総合的に言って美味しいと言える代物かどうかは別ですね。

時間をかけて茶筅を振れば、その分、抹茶はよく湯に溶けなめらかに、そして泡立ちクリーミーに口の中に広がります。でも風味は完全に飛んでしまい、苦いだけの味わい。
時間と風味の頃合い加減、いかに手早くさっと仕上げるか・・・・・これって一生モノの問題なんです。

今回、お茶の世界では、多分、突拍子もない「アイス抹茶」をやってみようと日々稽古に励んでいます。そこで気づいたんですが、（考えてみれば当たり前かもしれませんが）冷水で点てる時って、湯の時と比べはるかに風味が飛びにくいんです。

温度が低い分、抹茶はなかなか水に溶けてくれません。それでどうしても茶筅を振る時間が長くなってしまいます。もしかすると湯の３倍くらい長くかけているかも。それでも！そんなに長く茶筅を振っていても、まだたっぷり風味が感じられるんです。
これって、私にとっては発見に近いくらいの驚きでした。

今はまだ、「美味しいアイス抹茶」を点てることだけで精一杯ですが、原まつりが終わって普通のお湯での点前に戻った時に、何かこう、新しい世界が開けるんではないかなー。
「・・・やっぱり何でもやってみるものです、ちゃんちゃん！」ってことになるんじゃないかしらと、捕らぬ狸の皮算用しています。

また、ご報告をお楽しみに。

！！！　無限に広がる、きらら庵ブース　！！！　７/３１掲載

おととしのハマちゃんワールドがきっかけとなり、昨年の”あきのりワールド”で新たな展開を見せた「きらら庵貸しブース」。さて、今年は？！

何と、ななな～んと、モリモトおじさんの宇宙人ワールドが登場です。はてさて一体、どんなブースになるんでしょうか？予測が立ちませんね。皆様、どうぞその目で確かめ、体験しにおいでください！！！

去年、きらら庵ブースでフィギアの展示販売をしてくれた、小学校１年生（だった）あきのり君。
今年は２年生になり、さらにパワーアップしての登場です。

フィギアって、ちょっと私には分からない世界だったんですがきらら庵ブースに”あきのりワールド”が展開された途端に、そのスジの趣味の人達が次々集まって、しかも話は尽きないのか皆さん、座り込んで盛り上がっていましたね。

原まつり会場では、ちょっと珍し系の世界。興味のある方はもちろん、普段はあまり縁の無い方もどうぞ、きらら庵”あきのりワールド”へ遊びにいらして下さい。